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「坂の上の雲」にまつわる2冊、「坂の上の雲」と司馬遼太郎、NHKスペシャルドラマガイド 坂の上の雲〔第二部〕 [書評]

 今回は最初に本を紹介しておく。どちらもNHKで放映されたドラマ「坂の上の雲」に関係したガイド本である。


文藝春秋増刊 「坂の上の雲」と司馬遼太郎 [雑誌]

文藝春秋増刊 「坂の上の雲」と司馬遼太郎 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/10/16
  • メディア: 雑誌



NHKスペシャルドラマ・ガイド 坂の上の雲 第2部 (教養・文化シリーズ)

NHKスペシャルドラマ・ガイド 坂の上の雲 第2部 (教養・文化シリーズ)

  • 作者: 司馬 遼太郎
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2010/10/25
  • メディア: ムック



 『「坂の上の雲」と司馬遼太郎』の内容は、大特集として各界識者28名の「坂の上の雲」私はこう読んだ、特集は「その後の秋山好古・真之」、「子孫が語る『坂の上の雲』の登場人物、「坂の上の雲」の脇役たち、そして司馬遼太郎が語る「坂の上の雲」で過去の講演より「薩摩人の日露戦争」と「『坂の上の雲』秘話からなり、トピックとして「『軍神』広瀬武夫・死の真相」が掲載されている。
 感想としては、さまざまな人が様々な解釈でこの「坂の上の雲」が読まれているということの実感と、あの中に描かれた人物の子孫が厳然としているというある種の〝驚き〟。これは、近年物議をかもし始めた「坂の上の雲」の否定論に対して、大きなアドバンテージ、ある種ノンフィクションとフィクションのはざまで生まれた小説であることを物語っているようである。
 一度、全編を読み終えた読者には、新たな視点を提供してくれる本である。残念ながら読んだことにない読者では、何を言っているのか理解不能である。

 さてNHKは、この小説をドラマ化して3年かけて、全編を放映する予定で、ちょうど2部が終了、原本の分量でいえば、8分の3程度の分が終了したことになる。残り8分の5がドラマでは3分の1の分量になるのだが、これはドラマ作成上ではしかたがないのかもしれない。「坂の上の雲は」は日本海海戦の終了とともに終わってしまうのだが、原本では、詳細に陸軍の動きを、会戦ごとに書き、そして何度も主人公の話からそれる。海軍関係もロシアのバルチック艦隊の動きを逐一描写。そして海軍の動きも逐一書き連ねている。ドラマになりにくい箇所も数多くあり、おそらく第3部では、簡潔に主人公たちの日露戦争での活躍を描いて、クライマックスの日本海海戦シーンをいれて終わるのだろう。
 このガイド「坂の上の雲」(第二部)は、司馬の文字だけの情報では分かりづらかったイメージに対して一つのヒントを与えてくれたと思う。登上人物像と地名の風景描写が具体的なイメージを想起させてくれた。今回のロケ地は、すごい。ペテルベルグでのロケとはさすがNHK。VFXも駆使してリアル映像に近いものを見せてくれる。ちんけな民放ドラマでは太刀打ちできない贅沢さを感じる。

 さて、司馬遼太郎はもし生きていて、このNHKのドラマを見たらどのような感想を残したのだろうか。

 テレビドラマは確かに原作を知らなくても、楽しめる。しかし、司馬遼太郎がこの「坂の上の雲」を通してのメッセージは原作を読み込まない限り、近づき理解することはできないだろう。原作には、もっともっとたくさんのエピソードを交えて、明治という時代の息吹、その後の衆愚、指導者の体たらくを嘆いた悲痛な叫びを汲み取らなければならない。

 時間軸で考えると、「坂の上の雲」が描いた時代は、「竜馬の時代」からわずかに30数年後である。そしてこの「坂の上の雲」が発表されたのが、1968年から1972年となるから、かれこれ40年近く前のことである。そして日露戦争に1905年に勝利してから、40年後、1945年は太平戦争の敗戦を招ねいた。この敗戦から、「坂の上の雲」を書き始めるまでが、23年後、日露戦争に勝利してから63年後である。そして今年は、太平洋戦争敗戦から66年目を迎えるが、太平洋戦争を題材とした「坂の上の雲」のような小説はあらわれていない。この時間軸を頭に入れて「坂の上の雲」を読み進めると、司馬遼太郎が何を言わんとしているのかが、見えて気がするのである。
 重箱の隅をつくような〝反「坂の上の雲」〟の動きもあるが、どうでもいいこと(乃木希典の評価、T字戦法の是非、明石元二郎の評価、そして〝司馬史観〟なるものの評価等)をさも重要なことのように論じて、本を出しているが一考駄に値しない。
 何度も読み直すたびに新たな発見をさせてくれる本こそ、現代の古典であると思う。




 

坂の上の雲 全8巻セット (新装版) (文春文庫)

坂の上の雲 全8巻セット (新装版) (文春文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/07/15
  • メディア: 文庫



仕事で大事なことは『坂の上の雲』が教えてくれた (知的生きかた文庫)

仕事で大事なことは『坂の上の雲』が教えてくれた (知的生きかた文庫)

  • 作者: 古川 裕倫
  • 出版社/メーカー: 三笠書房
  • 発売日: 2009/10/20
  • メディア: 文庫



ショパン、私の恋人 角川マーケティング発行(松下奈緒出演テレビ番組の書籍化) [書評]

 紅白の司会も無難にこなした松下奈緒。彼女の違う一面を見せてくれるピアニストとしての活動。この本はそんな新たな一面を見せてくれ、ショパンへの思いも託した本である。
 この本はBS日テレ10周年特別番組「松下奈緒 ショパン、私の恋人。-」の完全書籍化である。
内容は、ショパンがジョルジョ・サンドと出会い、生活を共にした、後半生を過ごした土地を松下奈緒が訪ね、今でも残るショパンとサンドが過ごした家や遺品を通して、ショパンの心情をたどる旅行記でもある。ショパンがサンドと巡り合ったのは、26歳の時、そして亡くなる39歳までを、生まれ故郷のポーランドでなく、パリ、スペインのマヨルカ島、フランス・ノアン、そして最後はパリで過ごした。その地域を美しい風景写真を含めて、数々の遺品、ショパンが弾いていたプレイエルピアノ、国立図書館に所蔵されている自筆の楽譜などの写真も含まれている。最後に、松下奈緒の談話が収められている本である。

 感想として、ショパンの入門本としても、またショパン縁の地としての、スペイン・マヨルカ島、フランスのパリ、ノアンでの観光案内にもなっている。またショパンへの松下奈緒の思い、考え方を知る上でも面白い本となっている。ショパンの曲を弾く松下を知らないので、是非聴きたいものである。



ショパン、私の恋人 Chopin,be my love!    ~松下奈緒 ショパン、私の恋人~

ショパン、私の恋人 Chopin,be my love! ~松下奈緒 ショパン、私の恋人~

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 角川マーケティング(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/10/23
  • メディア: 単行本



Scene25 ~Best of Nao Matsushita

Scene25 ~Best of Nao Matsushita

  • アーティスト: 松下奈緒,松下奈緒×NAOTO×松谷卓
  • 出版社/メーカー: ERJ
  • 発売日: 2010/09/22
  • メディア: CD



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  • アーティスト: 松下奈緒
  • 出版社/メーカー: ERJ(SME)(M)
  • 発売日: 2009/02/04
  • メディア: CD



ゲゲゲの女房 完全版 DVD-BOX1

ゲゲゲの女房 完全版 DVD-BOX1

  • 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
  • メディア: DVD



ゲゲゲの女房 完全版 DVD - BOX 2

ゲゲゲの女房 完全版 DVD - BOX 2

  • 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
  • メディア: DVD



ゲゲゲの女房 完全版 DVD-BOX3(完)

ゲゲゲの女房 完全版 DVD-BOX3(完)

  • 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
  • メディア: DVD



ドラマ グッジョブ [DVD]

ドラマ グッジョブ [DVD]

  • 出版社/メーカー: GENEON ENTERTAINMENT,INC(PLC)(D)
  • メディア: DVD



監査法人 DVD-BOX

監査法人 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • メディア: DVD





【本】リクルート事件・江副浩正の真実 14年以上に渡る検察との闘争 [書評]

 戦後最大の贈収賄事件として、ロッキード事件とならんで検察が最も輝いた事件として評価されている。この頃は、検察は絶対的な正義で、検察に睨まれればその人はもう悪人という構図が常識的に想起される時代であったのである。
 もういちどリクルート事件の概要を押さえておく。リクルート事件(リクルートじけん)とは、1988年(昭和63年)に発覚した、日本の贈収賄事件である。
 贈賄側の会社経営者や、収賄側の政治家や官僚らが次々に逮捕され、当時の政界・官界を揺るがす、一大スキャンダルとなった。この事件では、出版社・リクルートの関連会社であり、未上場の不動産会社、リクルートコスモス社の未公開株が賄賂として使われていた。

事件概要(Wikipediaより転載)
・1988年6月18日、朝日新聞が『川崎市助役へ一億円利益供与疑惑』をスクープ報道し、その後、リクルートにより関連会社リクルート・コスモス(現 コスモスイニシア)社未公開株が、中曽根康弘、竹下登、宮澤喜一、安倍晋太郎、渡辺美智雄など大物政治家に、店頭公開前に譲渡していたことが相次いで発覚する。90人を超える政治家がこの株の譲渡を受け、森喜朗は約1億円の売却益を得ていた。時の大蔵大臣である宮澤は税制特別委員会で「秘書が自分の名前を利用した」と釈明した。さらに学界関係者では、政府税制調査会特別委員を務めていた公文俊平にも1万株が譲渡されていたことも判明した。
・東京地検特捜部は、1989年、政界・文部省・労働省・NTTの4ルートで江副浩正リクルート社元会長(リクルート社創業者)ら贈賄側と藤波孝生元官房長官ら収賄側計12人を起訴、全員の有罪が確定した。だが、政治家は自民党では藤波議員ただ一人、そして公明党の池田克也議員が在宅起訴されただけで、中曽根や竹下をはじめ大物政治家は誰1人立件されなかった。 【以上転載終了】

 さて本書は、事件の当事者で、贈賄側の首謀者とされた江副浩正である。当事者でしか知りえない、それぞれの収賄者との関係、未公開株を持ってもらった理由、請託の有無などを、江副氏側の論理で書いているとともに、現在問題となりつつある検察の取り調べ内容を具体的に記述しているのである。拘置所での取調べは、現代の拷問で人権上の問題提起をしている。
 取調べのために拘留された日数は、113日、保釈金2億円であった。(平成元年6月6日)
そして裁判は平成元年12月に始まって公判回数は、332回を数え、平成15年3月に判決の日を迎え、判決は、懲役3年、執行猶予5年であった。

 江副氏はリクルートの創業者で逮捕当事は、会長職にあり政界とのロビー活動にいそしんでいたと云う。政府の委員なども兼務して、マスコミを賑わすベンチャー企業の成功者として、時代の寵児であったのである。しかし好事魔多しの例え通り、何故このように活躍できるのかの疑問を呈した人がいて、この人が朝日の記者であったのである。そして未公開株を本人の弁明からすると、請託の意思はなく、唯単に軽い手土産代わりに政界・財界・官界へ未公開株をばらまいたのである。江副氏の知らない関係者まで渡されていた事実からすると、江副氏の意図とは別に、経済人が何の意図もなく未公開株を渡すはずがない、という見解が検察が起訴に踏み切った理由とされる。そして、検察の捜査意図は、政界・官界の大物を逮捕・有罪にして、世間に向けていい顔がしたいという理由のようであった、とある。この辺りの事情が、江副氏への供述調書の署名をめぐって検察官との駆け引きが、生々しく記述されている。

 例の検察の描いたストーリー通りに供述調書が検察側で作成され、その内容を無理やり認めさせるのである。その認めさせ方が、言葉の暴力、壁に向かって目を開けたまま長時間立たせ、目をつぶると、耳元で鼓膜が破れるぐらいの大声を発するという。立派な暴力であり、これを裁判の公判で指摘すると、当の検察官はとぼけて認めようとしないで、平気の平で虚言を並べる。また、釈放や情状酌量を目の前にぶらさげて、本人の否認を無視して署名させるのである。具体的な描写は本書に何カ所も書かれている。

 さて本書の評価であるが、リクルート事件の真実に迫る当事者の記録としては貴重であるし、特に検察捜査場面の記述は秀逸である。しかし、どこまで真実かはこの1冊ではわからない。人間の習いで、過去の出来事について、都合の悪いことは脚色し、都合の良い所を膨らませる傾向にあるからである。できれば、当事者である検察官側の記述が公に刊行されれば、事件の真実性が高まると思うが、嘘がばれるので難しいだろう。

リクルート事件・江副浩正の真実 (中公新書ラクレ)

リクルート事件・江副浩正の真実 (中公新書ラクレ)

  • 作者: 江副 浩正
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2010/08
  • メディア: 単行本



リクルート事件・江副浩正の真実

リクルート事件・江副浩正の真実

  • 作者: 江副浩正
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2009/10/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



(英文版) リクルート事件・江副浩正の真実 - Where is the Justice?: Media Attacks, Prosecutorial Abuse, and My 13 Years in Japanese Court

(英文版) リクルート事件・江副浩正の真実 - Where is the Justice?: Media Attacks, Prosecutorial Abuse, and My 13 Years in Japanese Court

  • 作者: Hiromasa Ezoe
  • 出版社/メーカー: 講談社インターナショナル
  • 発売日: 2010/08/05
  • メディア: ハードカバー



正義の罠 リクルート事件と自民党 二十年目の真実

正義の罠 リクルート事件と自民党 二十年目の真実

  • 作者: 田原 総一朗
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2007/05/31
  • メディア: 単行本



かもめが翔んだ日

かもめが翔んだ日

  • 作者: 江副 浩正
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2003/10/30
  • メディア: 単行本



取調べの「全面可視化」をめざして - リクルート事件元被告・弁護団の提言

取調べの「全面可視化」をめざして - リクルート事件元被告・弁護団の提言

  • 作者: 石田省三郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2009/12/16
  • メディア: 単行本



【本】検察 vs 小沢一郎 「政治と金」の30年戦争 産経新聞司法クラブ [書評]

いままさに、民主党代表選真っ只中にあり、両雄がしのぎを削っている。今回のこの本は、まさに争点のひとつ、「政治と金」にまつわる検察と小沢一郎との関り合いを記述してあるものである。「政治と金」だけに限定してあるので、小沢一郎の政治的業績の話などはどこにもでてこない。あくまで「政治とカネ」である。

 この本の冒頭は政治資金絡みで、初めて当事者となった「西松事件」に関する記述から始まり、小沢一郎の政治家としてルーツから、反面教師としての田中角栄のロッキード裁判を傍聴してから検察の捜査思考を知ることになる。そして当選2回生議員ながら、次のような発言にて検察庁に対して批判的な見方を示している。官僚は政治家からの批判を極端に嫌う種族であることは本能のようである。
<(ロッキード事件は)司法の自殺行為ですね。(中略)まず第一に、田中さんが受け取ったと言われる五億円というお金を見た人がいないんです。米国ロッキード社のコーチャン副社長やクラッター元東京支社長、日本側の丸紅の大久保利春専務らも含めて、お金を見た人がいない。それから最高裁判所の裁判官会議によってコーチャン氏に免責特権を与えて嘱託で尋問した。日本の司法には司法取引による刑事免責なんて仕組みはないんです。なのに、こんなばかなことを日本人は平気で認めている。これはおかしいです>『小沢一郎 政権奪取論』
これを読んだ検察官はカチンときただろうことは予想がつく。ロッキード事件は単なる贈収賄事件ではないことは明白であり、その真の意図を小沢一郎が認識しているかどうかは定かでなない。田中自身についても、同情的な見方をしている、ところに何かを感じ取っていた節はある。
<田中さんだけがやっていたんじゃない。民間人も政治家も役人も、みんなやっていたし、そういうことを日本では潤滑油のようなものとして認めていた。そんな風土があった。だから、社会が全部了解しているような話を、なぜ田中のおやじの問題だけ取り上げて、悪い悪いとスケープゴードにするんだと思った>(同)
この「田中」を「小沢」に置き換えると、30数年後自分自身に降りかかった状況と酷似している。

 小沢が47歳で自民党の幹事長に就任して迎えて総選挙で財界から300億をかき集め、安定過半数を獲得し、参院選での惨敗の流れを食い止めた。その結果「剛腕」小沢が誕生したのである。

 何故、小沢一郎が政治資金絡みで胡散臭いを次のように記述している。
<現行の政治資金規制法は、田中金脈が原因の「75年の改正」と小沢が手がけた「94年の改正」が骨格となっている。小沢が関係する政治団体は、この規制法に抵触する疑いを何度も指摘されてきた。
(中略)
07年には、陸山会が政党助成金を含んだ政治資金で、都内の一等地などに計13件、約10億円相当の土地やマンションなどの不動産を次々に購入し、登記簿上の名義はすべて小沢になっている問題が表面化している。(中略)資金管理団体が土地を買っている現職の国会議員では小沢だけだった。仮に小沢が死亡した場合は法制上、これらの不動産は小沢の親族が相続することになる可能性が指摘された。
 政治資金規正法は、政治資金の運用や国債など三項目に限定し、それ以外の運用を禁じていることから、陸山会はその後、「目的は資産運用ではない」と釈明した。
 不動産購入問題発覚を受け、規制法は同年六月に再び改正され、資金管理団体による新たな不動産取得は禁止されたのである。
 度重なる規制法の改正は、田中から小沢に連なる政治家人脈が「政治とカネ」の問題で原因つくり、その政治家自身が改正を手がけてきた。「ザル法」とされる規制法改正の歴史をひもとくと、常に中枢でかかわってきた小沢たちが法の「盲点」を駆使して集金システムを構築してきた姿が浮かぶ。(以下略)>

 検察は、小沢たちが法の「盲点」を駆使して集金システムを構築してきた、を苦々しく指をくわえてみてきたのである。そして「いつか尻尾を捕まえるぞ」という気持ちを検察に抱かせたことを想像する。
 これは、西松事件を発生当初は、検察の国策捜査であるという論調が幅をきかせたが、どうも小沢自身が播いた種が芽を出し、あのタイミングで検察が刈取りに乗り出したのである。
 
 この本の著者は産経新聞であるので公正中立とは思わないが、次の西松事件捜査の検察の動機は少し納得した。
<特捜部の捜査については近年「国策捜査」などと呼ばれて批判を受けるケースも少なくない。
 今回の事件でも、民主党国対委員長の山岡賢次ら党幹部が「国策捜査だ」と検察を露骨に非難し、小沢を擁護した。
 それまで合法とされていた行為について、検察が無理矢理逮捕し、「筋書きありき」で起訴するという批判である。「国策捜査」という言葉を世に広めた佐藤優は、国策捜査の定義を(1)官邸主導で時の権力者に有利になるような捜査(2)検察主導で時代の節目を作る、時代を転換させるための捜査-としている。
 03年7月30日に開かれた公判の被告人質問で佐藤は、約2時間にわたって思いの丈を語ったが、国策捜査については「特定の政治的ターゲットの中に何としても犯罪を見出し、作り出すことだ」と定義した。また、、「国策捜査は大きな必然性の中から生まれる。(今回の場合は)日本の政官(鈴木宗男と外務省)の関係を変えなければならないとして象徴的事件を作りだして断罪し、時代のけじめをつけるのが目的だった」と持論を展開してみせた。
 ただし、多くの検察関係者の言ううところの、「国策捜査」は違う。本格的な国策捜査の先駆けは、95年の旧2信組乱脈融資事件とされている。
 バブル崩壊により、政府が一行政機関として手がけた一連の捜査を検察関係者は国策捜査とよんでいる。ほかにも96年のコスモ信用組合事件や同年の住専事件、日債銀事件などがそれである。>

 ここの「国策捜査」の定義は佐藤優氏の方だろう。検察が呼んでいるのは、国が不良債権処理に税金を投入した施策の正統化を狙って、悪徳金融機関を見せしめに潰しました。これが国が考える「国策捜査」です、と言っているのであるが、ピンとこない。これは、ただ単に元々不正があることが分かっていたが、大蔵省が隠していたが、この際表に出してスケープゴードにしました、というだけのこと。どこが国策捜査なのか。自分達の政策の正当化を図るための、不正捜査が国策捜査ではないだろう。ただ単なる刑事事件で、隠蔽していた事実の方が国策犯罪ではないのか。

 そこで今回の捜査の見解は、
<佐藤自身は、今回の「小沢ルート」については、「国策捜査だと思っていない」と述べている。佐藤はその理由として、産経新聞の取材に「事前に世論を盛り上げて象徴的事件を作りだし、時代のけじめとするのが国策捜査だが、今回はそうなっていない」と述べている。 
 一方で、「西松建設の違法献金の実態を捜査しているうちに、『これでは(小沢代表に)次期政権を任せられない』と思ったのだろうが、世直しはあくまで政治がやること」と推論している。
 「小沢ルート」捜査の真相は、官邸主導などではなく、事件捜査に邁進する「ハンター」の本能を持つ特捜検事たちに、ときに“大人の判断”でストップをかける検察首脳が誰も「NO」と言わなかった結果である。>

 産経新聞らしい偶然の産物で、誰の意思でもないというような結論であったが、このような推論は通用しない。人のやることで、偶然はなく必ず必然の意図、意識のもとに起こされたのである。それが誰であるかはここでは推測しないが、あの大マスコミを総動員してのネガティブキャンペーンは異常である。検察”大本営本部”の垂れ流し情報を、神のご託宣のように報じる報道機関は、産経新聞も含めて報道機関の看板に偽りあり、である。

一方的に偏った報道はウソであることが世界の常識ではないか。この本はそのようなことを思い出させてくれた。


検察vs.小沢一郎―「政治と金」の30年戦争

検察vs.小沢一郎―「政治と金」の30年戦争

  • 作者: 産経新聞司法クラブ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/06
  • メディア: 単行本



小沢一郎 完全無罪 「特高検察」が犯した7つの大罪

小沢一郎 完全無罪 「特高検察」が犯した7つの大罪

  • 作者: 平野 貞夫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/04/17
  • メディア: 単行本




小沢一郎50の謎を解く (文春新書)

小沢一郎50の謎を解く (文春新書)

  • 作者: 後藤 謙次
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/06
  • メディア: 新書



小沢一郎は背広を着たゴロツキである。

小沢一郎は背広を着たゴロツキである。

  • 作者: 西部 邁
  • 出版社/メーカー: 飛鳥新社
  • 発売日: 2010/07/14
  • メディア: 単行本



小沢一郎 嫌われる伝説

小沢一郎 嫌われる伝説

  • 作者: 渡辺 乾介
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/11/30
  • メディア: 単行本



日本改造計画

日本改造計画

  • 作者: 小沢 一郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1993/05/21
  • メディア: ハードカバー



剛腕維新

剛腕維新

  • 作者: 小沢 一郎
  • 出版社/メーカー: 角川学芸出版
  • 発売日: 2006/08
  • メディア: 単行本



【本】インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日 中村安希著 [書評]

 著者は1979年生まれの女性。この本に書かれた旅行は26歳から28歳にかけて実行された一人旅の記録である。

旅じたくについては、
 私は45リットルのバックパックの底に980円のシェラフを詰めた。3日分の着替えと洗面用具、パブロンとバッファリンと正露丸を入れた。それからタンポンとチョコラBB。口紅とアイシャドウと交通安全のお守りを用意した。パソコンとマイクとビデオカメラを買い揃え、小型のリュックに詰め込んだ。果物ナイフや針金と一緒に、ミッキーマウスのプリントがついた覆面も忍ばせた。そして、ジムで鍛えた両腕に四本の予防注射を打ち、体重を3キロ増やして日本を離れた。
 そして、モンゴル、中国、チベット、ネパール、マレーシア、タイ、カンボジア、ミャンマー、インド、パキスタン、中国、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタン、イラン、シリア、ヨルダン、イスラエル、イエメン、ジブチ、エチオピア、ケニア、ウガンダ、タンザニア、マラウイ、ザンビア、ジンバブエ、南アフリカ、ガーナ、トーゴ、ベナン、ニジェール、ブルキナファソ、セネガル、モーリタニア、西サハラ、モロッコ、ヨーロッパ、ポルトガル迄旅した。

 昔から俗に言われる貧乏旅行記の元祖は、小田実の「何でもみてやろう」や沢木耕太郎の「深夜特急」が有名であるが、この本は女性一人旅の旅行記であることがユニークであり、草食系男性陣には及びもつかないバイタリティを感じる。その土地土地で出会った人々との関り合いを率直に書いていることと、特にアフリカにおける白人と有色系人との間ににある暗黙の差別観を感じるくだりは、総ての人種が平等であるという概念が、いかに欺瞞に満ちた「タテマエ」であるかを体験した表現が印象に残る。

 そして自分の「貧乏旅行」がアフリカのある国の人々からみれば「貧乏旅行者」ではないという現実のジレンマに悩むのである。
 とにかく内容が新鮮であり、日本人の置かれた立場、経済援助国、ボランティア、そして旅行者として、日本および日本人を考える材料になる。

 強烈に印象に残った描写は次のところ。
 中国[ゴキブリ列車]  韓国、モンゴルを抜けて中国を南下し二カ月が過ぎた頃、私は四川省の省都、成都へと向かう列車の中で立ったまま朝を迎えた。誤って購入した切符のおかげで、ストレスと疲労に満ちた朝だった。乗り込んだ車両は寝台ではなく座席だったし、確保された座席などなく立ち席だった。満員列車に詰め込まれた荷物と人の海は、吐き捨てられたツバや食べカスと入り交って異様な悪臭を放っていた。人口超過の中国がそこにあった。 前日の昼過ぎに広州を出てから17時間。その間にカップラーメンを1つ食べ、1度だけトイレに行った。前の人、前の前の人、何人分かも分からない量の汚物が、水のない便器に山積していた。備え付けの棒でつついてみたところで、汚物はそう簡単には車外に落ちていかなかった。発展途上の中国を象徴するするような光景に、私は強い不快を感じた。やってきた食料配給ワゴンや車両やトイレに向かう人々が、何度となく私の足を踏みつけ、乗客を掻き分け通り過ぎた。私は口を閉ざし、吸い込む息の量を極力抑えて、壁伝いに歩き回るゴキブリの子供たちを見ていた。逃げ出したい気分だった。眼の前の現状と向き合うつもりも、その環境に順応する意思もなく、私は動かずじっとしていた。 

 水洗トイレしか使えない人、ゴキブリをみると動けなくなる人は、このような旅行は無理である、ということである。



インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

  • 作者: 中村 安希
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2009/11/13
  • メディア: 単行本



何でも見てやろう (講談社文庫 お 3-5)

何でも見てやろう (講談社文庫 お 3-5)

  • 作者: 小田 実
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1979/07/11
  • メディア: 文庫



深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)

深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)

  • 作者: 沢木 耕太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1994/03
  • メディア: 文庫



深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール (新潮文庫)

深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール (新潮文庫)

  • 作者: 沢木 耕太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1994/03
  • メディア: 文庫



深夜特急〈3〉インド・ネパール (新潮文庫)

深夜特急〈3〉インド・ネパール (新潮文庫)

  • 作者: 沢木 耕太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1994/04
  • メディア: 文庫



深夜特急〈4〉シルクロード (新潮文庫)

深夜特急〈4〉シルクロード (新潮文庫)

  • 作者: 沢木 耕太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1994/04
  • メディア: 文庫



深夜特急〈5〉トルコ・ギリシャ・地中海 (新潮文庫)

深夜特急〈5〉トルコ・ギリシャ・地中海 (新潮文庫)

  • 作者: 沢木 耕太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1994/05
  • メディア: 文庫



深夜特急〈6〉南ヨーロッパ・ロンドン (新潮文庫)

深夜特急〈6〉南ヨーロッパ・ロンドン (新潮文庫)

  • 作者: 沢木 耕太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1994/05
  • メディア: 文庫


 

【映画本】『KAWADE夢ムック 黒澤明』より井上陽水のエッセイ「志村喬の微笑み」 [書評]

 井上陽水と黒澤明という異色の組み合わせである。この雑誌の中で発見した井上陽水のエッセイ「志村喬の微笑-『虎の尾を踏む男たち』の背景」の中に同氏の黒澤映画への憧憬を窺い知ることができた。

 このエッセイでの表現を借りて、映画が作製された時代背景を描写すると
 黒澤明監督の映画、『虎の尾を踏む男達』は、この日(筆者注:1945年8月15日)にまたがって制作されている。太平洋戦争の戦局は“敗戦”へと大きく傾き、食料物資の欠乏をはじめ、諸事にわたって制限、規制され、多くの国民が不便と飢餓、不安と絶望を感じていた、その惨憺たる状況の中で、この映画が開始されている。そして制作が完了した時には、日本の主権が連合国、ダグラス・マッカーサー率いるGHQへ移行していたことを考えると、『虎の尾を踏む男達』の背景は誠に興味深い。

 このあと、この映画を初めてみたきっかけとこの映画を制作する前の黒澤明の作品について言及し、『虎の尾を踏む男達』のストーリーを紹介している。その表現を借りると、
 物語は、頼朝に追われた源義経一行がつくり山伏となって奥州への道中、新設された安宅の関にさしかかり、そこで咎められては弁慶の才覚と力量によって難局を切り抜けるというものだ。弁慶に大河内伝次郎、強力には榎本健一、森雅之や志村喬らが山伏に扮し、義経の岩井半四郎をいただいて、守りを固めている。関守の富樫に藤田進、そしてキャスティングの妙を堪能させてくれるのは、義経捕縛の命を受けた梶原の使者に久保保夫、義経一行に酒をふるまう富樫の使者には清川荘司を配しているところで、特に久保保夫の典型的なメイクからは、彼の役どころである、疑い深く、神経質、小者、出世主義、官僚主義などが情報として容易に伝わってくる。

 なかなか、微に入り細にわたる観察眼である。そしてこのエッセイの核心部分に入る。

 ある意味でこの物語は、強力に扮するエノケンの視点から見た話にも思える。最初、彼は山伏一行を義経のそれとは知らず、強力として同行する。険しい山道での一休みという時には彼は世間話を始め、兄と不仲になった義経の境遇に同情を示し、しかし弁慶という強い家来がいるから大丈夫だと一行に話す。どのくらい弁慶が強いのかの説明で、「何しろ敵の首をつかんでは“スッポン、スッポン”」と抜いてしまうのだと言って山伏一同を大笑いさせるシーンがあるが、志村喬だけがカメラがパンする画面のなかで一人、静かに微笑んでいる。別段、どうということのないそのシーンに私はなぜか、強く興味をひかれた。

 その理由を以下に記述している。
 
 後期の黒澤明の演出の様子がテレビなどで紹介され始めたのは『影武者』の撮影の頃で、ベテラン俳優の大滝秀治が黒澤に罵倒されているところがテレビ画面に写し出されたことがある。黒澤演出の厳しさを現代の目が取り上げたわけだが、それから武将一同、皆で笑うシーンに移ってからも大滝は緊張した表情を払拭できぬまま、黒澤の指示に従って必死に笑っているように見えたことが印象に残っている。また、黒澤の最後の作品になった『まあだだよ』でも、一同が大声で笑っているシーンがあり、それが映画的なのかもしれないが、画一的な人間集団の様相に、なにか硬直したものを感じないわけにはいかなかった。

 そしてこのような状況となった理由を井上陽水は次のように分析している。

 『虎の尾を踏む男達』の撮影の頃(筆者注:黒澤明 35歳)、黒澤明と志村喬の関係は一体、どんなものだったのだろう。当時の志村も若かったろうが、黒澤とてまだ若手監督の域をでていなかった頃だと思う。
(中略)
「次のシーンは皆で大笑いを、志村さんだけは微笑んで下さい」などという、厳密なリアリズムを求めての細かい指示を黒澤が出していたとは思えないのだ。大筋での注文を出して芝居させ、多少、意に反した動きがその中にあったとしても、当時の黒澤はそれをよしとして受け入れることが出来たのではないかと思う。

 大監督、巨匠、果ては天皇、とまで呼ばれるようになった後年の黒澤明にとって、多くのスタッフや俳優の誰もが自分よりも遥かに若く、いつの間にか明治生まれが極めて少数となってしまったことに愕然としながら、それでもなお、自らの志向する“美”をフィルムに焼き付けておこうとしても、なかなか深いところでの理解が得られぬまま、周囲も黒澤の思うようには動いてくれなかったであろう。当然、「右向け右」としか指示のしようがなく、誰もが言われたとおり、棒のように動くほかなかったのだと思う。

 この次の文章が、最も言いたい表現となっているが、それは本書で読んでほしい。

晩年期の作品がなんとなく違和感を感じていたが、こんなところに理由の1つがあることを理解したことは収穫であった。


黒澤明 永久保存版 増補新版―生誕100年総特集 (KAWADE夢ムック 文藝別冊)

黒澤明 永久保存版 増補新版―生誕100年総特集 (KAWADE夢ムック 文藝別冊)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2010/01
  • メディア: 単行本



虎の尾を踏む男達<普及版> [DVD]

虎の尾を踏む男達<普及版> [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: DVD



虎の尾を踏む男達 [Blu-ray]

虎の尾を踏む男達 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: Blu-ray


 

【本】『七人の侍』と現代-黒澤明 再考 [書評]

 この本も黒澤明生誕100年にちなんで出版されたかどうかは定かでないが、黒澤明の代表作と目される『七人の侍』に関する評論というより、何度もこの映画を観た読者には、どこかで読んだことのある内容と全く知らなかった内容で、少し長めの解説本という感じの本であった。

 この映画は56年前、1954年に公開され、大きく時代劇に分類される。これほど古い映画であれば、現代とは関係ない古典の名作のひとつと考えられがちであるが、この筆者は広く世界のなかでの『七人の侍』の現在の意味をも解説している点が新しい論点であった。この映画のストーリーは、雇われ侍が、雇い主の百姓の村を、正体不明の野武士から守るために戦い勝利する、というものである。これを言葉を変えて表現すると、雇い兵をもって、テロリスト、野盗から自国、自営地、町、村を守る、ということになる。今現在でも、これに当てはまる現実の地では数多くあり、これらの地ではバイブル的映画としてこの『七人の侍』が見られているという。この視点は平和ボケにある日本では意識されない論点である。

 もうひとつ、少し批判的に書かれているが、映画の時代設定は、戦国時代末期、織田信長から豊臣秀吉の時代に移ろうとする時代のようである。この時代の「百姓」と「野武士」の階級が明確に表現されていることがおかしいという論評もあったが、映画の世界であれば、これは明確に分けて表現いないと全体のストーリーをささえる細部の挿話への入れ込み具合がおかしくなる。あのままの設定でいいのである。あくまでフィクション性を楽しむのも映画のたのしみであるかである。別に時代劇に、ドキュメンタリー性は求めていない。56年前の時代考証と現在の時代考証における比較をしてみても意味がないと言いたい。ちまたによくある、時代劇への批評で、時代考証的に云々という意見は、映画の本質を理解していない但のイチャモンと同じであると思う。時代が下れば、時が流れれば新たな発見がでてくることは当たり前であるし、この当たり前のことを偉そうに論評に加えるのは、学者先生の弊害である。学術論文ではないのだ。重要なことは、この時点で何故このような解釈、時代考証をしたかという論点である。

 この本の中で、1954年という年の背景を丹念に『七人の侍』の内容と絡めて解説しているところは、現在の時間軸からみると、なるほどという伏線が多々ある作品であることを再認識させられた。

 最後にこの本の「あとがき」より
 『七人の侍』は今日、日本映画のみならず、世界の映画を代表する古典的名作として知られている。本書で私が試みたのは、この作品を古典という観念からも、名作という称号からも救い出すことであった。あえていうことにしよう。黒澤明が1954年に監督した『七人の侍』は、21世紀の現在においてすら、いや現在においてこそアクチュアルなフィルムである。都市に失業者が溢れ、農村が疲弊の極致に達している時代。国境を超えて難民が避難所を求め、それを追うように武装集団が掠奪をほしいままにする時代。勘兵衛や菊千代が理念のために戦い、虚無に突き当たって服喪を強いられたのは、実はそのような時代であった。黒澤明は2010年に生誕100年を迎えたが、このフィルムはどこまでも現役のフィルムであり、その意義は映画史の枠を超えて、ますます重要なものとなろうとしている。


『七人の侍』と現代――黒澤明 再考 (岩波新書)

『七人の侍』と現代――黒澤明 再考 (岩波新書)

  • 作者: 四方田 犬彦
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2010/06/19
  • メディア: 新書



七人の侍 [DVD]

七人の侍 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: DVD



七人の侍(2枚組)<普及版> [DVD]

七人の侍(2枚組)<普及版> [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: DVD



黒澤明 MEMORIAL10 4:七人の侍 (小学館DVD&BOOK)

黒澤明 MEMORIAL10 4:七人の侍 (小学館DVD&BOOK)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/07/22
  • メディア: 単行本


内容説明
映画芸術の最高到達点!映画の歴史を変えた超大作!

「農民に雇われた侍が野盗と戦う。侍は七人で幾人かが死ぬ」。
世界映画史上に残る傑作「七人の侍」とは、これ以上でもこれ以下でもない。今日のゴテゴテと飾り立てられた映画に比べて、なんとシンプルなストーリーだろうか。しかしこの骨太さが映画というものだ。まずはただ息もつかせぬ207分を楽しめばよい。そしてこの創造の奇跡の秘密が知りたいのなら、同梱の書籍をひもといてほしい。
「七人の侍」が出来上がるまでには計り知れないほどの創造と破壊があった。シナリオ段階で、2本の映画の企画が生まれては消え、その苦闘の果てに「七人の侍」が出来上がるまでの経緯を、「七人」の脚本の共同執筆者で今日も健在の橋本忍がインタビューで克明に語る。また撮影に入っても、この映画を決して妥協しては造らないという黒澤監督はじめスタッフのこだわりにより、製作費も撮影期間も巨大化していく。絶体絶命の製作中止の危機も乗り越え、ついにクライマックスの村での死闘を迎えるその製作過程の緊迫のドキュメントを、記録係野上照代氏がエッセイで書き下ろす。
世界の映画界の風景を以前と以後で一変させた傑作「七人の侍」。日本には「七人の侍」があるのだ!

編集担当者からのおすすめ情報
もしまだ「七人の侍」を観ていない人がいたら、その人は幸せです。なぜなら世界一の映画をこれから観ることができるから。とにかくまずはこの映画を観てください。傑作、名作、芸術・・・どんな先入観も必要ありません。ただDVDの再生ボタンを押してください。そしてもしこの映画に恋に落ちたなら、本も読み進めてほしい。この本は、あなたと同じようにこの映画と恋の落ちた人々のラブレターです。



【生誕100年】2010年は映画監督黒澤明の生誕100周年! [書評]

 2010年は、日本史的に見れば、1910年に韓国併合を行った年でもある。この頃から、日本がアジアへの領土拡大を謀る野望を実行に移し始めた年であり、この野望は、中国、東南アジア、南洋諸島にも食指を伸ばしたが、1945年の無条件降伏で、泡と消え、多くの人命を失う結果だけに終わった。あの狂乱は何だったのだろう。

 さて、このような時期と同じくして、黒澤 明は1910(明治43)年、東京に生まれたとされているが、黒澤自身は秋田で生まれ、小さい時に東京に来たと語ることもあったらしい。

 詳細な略歴は、Wikipediaを参照してください。

本題は、この生誕100年を記念して、さまざまな行事、記念出版が昨年末頃より顕著になってきた。
その中の興味深いものを紹介する。

■書籍

黒澤明 永久保存版 増補新版―生誕100年総特集 (KAWADE夢ムック 文藝別冊)

黒澤明 永久保存版 増補新版―生誕100年総特集 (KAWADE夢ムック 文藝別冊)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2010/01
  • メディア: 単行本



大系 黒澤明 第1巻

大系 黒澤明 第1巻

  • 作者: 黒澤 明
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/10/28
  • メディア: 単行本



大系 黒澤明 第2巻

大系 黒澤明 第2巻

  • 作者: 黒澤 明
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/12/18
  • メディア: 単行本



大系 黒澤明 第3巻

大系 黒澤明 第3巻

  • 作者: 黒澤 明
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/02/26
  • メディア: 単行本



大系 黒澤明 第4巻

大系 黒澤明 第4巻

  • 作者: 黒澤 明
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/04/23
  • メディア: 単行本



黒澤明 全作品と全生涯

黒澤明 全作品と全生涯

  • 作者: 都築 政昭
  • 出版社/メーカー: 東京書籍
  • 発売日: 2010/02/24
  • メディア: 単行本



黒澤明vs.ハリウッド―『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて (文春文庫)

黒澤明vs.ハリウッド―『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて (文春文庫)

  • 作者: 田草川 弘
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/03
  • メディア: 文庫



キネマ旬報セレクション 黒澤 明

キネマ旬報セレクション 黒澤 明

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: キネマ旬報社
  • 発売日: 2010/04/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



黒澤明という時代

黒澤明という時代

  • 作者: 小林 信彦
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/09/11
  • メディア: 単行本



血の玉座――黒澤明と三船敏郎の映画世界

血の玉座――黒澤明と三船敏郎の映画世界

  • 作者: 上島春彦
  • 出版社/メーカー: 作品社
  • 発売日: 2010/04/29
  • メディア: 単行本



黒澤明の作劇術

黒澤明の作劇術

  • 作者: 古山 敏幸
  • 出版社/メーカー: フィルムアート社
  • 発売日: 2008/05/10
  • メディア: 単行本



複眼の映像 私と黒澤明

複眼の映像 私と黒澤明

  • 作者: 橋本 忍
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2005/10/25
  • メディア: 単行本



黒澤明から聞いたこと (新潮新書)

黒澤明から聞いたこと (新潮新書)

  • 作者: 川村 蘭太
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/04
  • メディア: 新書



【本】『イチロー・インタヴューズ』が面白い! [書評]

 マリナーズ・イチロー選手の渡米が決定した2000年秋から2010年シーズン直前までの全100時間超のインタビュー。イチロー選手は野球界では数少ない多彩な言葉で自身のプレー、心情を表現できるアスリートである。9年間にわたるメジャーでの戦いでの節目を数々のインタビューで残している。マスコミにはこれらのほんの一部しか伝えられていない。この本では、マスコミを通しては伝えられないイチローの心情を知ることができる。

 一部興味を持った部分を掲載する。(『イチロー・インタヴューズ』石田雄太著 文春新書)

(場面は2009年WBCでの出来事)
  準決勝のアメリカ戦が終わっても、イチローの中での感覚は戻っていなかった。鋭い当たりはほとんどなく、捉えたはずの打球が力なく転がる。それでも仲間がチームを勝利に導き、日本は決勝に進んだ。もちろん、言い知れぬ孤独感がイチローを包む。

 「もし負けたらオレたちはどうなるかわからない、という気持ちを持ってみんなで戦っていたのに、自分が何度も流れを止めてしまった。そんなときは監督と目が合うだけで心が痛みました。でも僕が救われたのは、みんながさせ続けてくれたことでした。ピッチャーは点を取られまいと踏ん張ってくれました。その中でも存在が大きかったのは、ムネ(川﨑宗則)、青木、ナカジ(中島裕之)の3人と、稲葉(篤紀)さん。結果がでない選手に近寄っていくことは難しいものです。でも彼らは意識的に声を掛けてくれて、結果に対するネガティブな意識を持っていることを感じさせないようにしてくれた。こんなこともあったそうです。野手のみんなが僕を盛り上げようと、ソックスを見せて試合前の練習に臨んでいたそうです。カメ(亀井義行)が提案してくれたらしいんですけれど、泣けてきますよ。ホント、いい仲間に恵まれて・・・・・みんなが僕の思いを察してくれていたんですね。その分、心の痛みは増しましたけど(苦笑)」

 イチローが苦しんでいることはチームの誰もが知っていた。それでもイチローに一切のネガティブな勘定を抱かなかったのは、この4人に限ったことではない。誰よりも早くケージに行って打ち、ヒットが出ないからといって普段のリズムを変えることもない。そんなイチローのアプローチを間近で見ていれば、結果が出ないことを責めようだなんて気持ちになるはずがない。むしろ、苦しむイチローをみんなでカバーしようという若い選手たちの強い気持ちがイチローとの距離を縮めてくれていたのかもしれない。

 「みんなとの距離を縮めようとしていたわけではないし、それが目的となっていたら距離は縮まらなかったと思います。僕はあのときの自分と正面から向き合わなければならなかったし、変えたくなるところを投げださないで、そこから何とか光をつかもうとしなくてはなりませんでした。それを僕は、チームの中では隠していなかったので、ひょっとしたらそんなところを見てくれていたのかもしれません。外の人に対しては、結果を出すことで何かを示さなくてはいけませんが、内側にいる仲間たち、チームの中では、そこが大事になることが常です。他の選手たちは結果が出ないときの僕がどうしてるんだってことを見てるはずだと、そう思っていました」

 そんな仲間たちとともに、イチローは準決勝の前夜に“決起集会”を開催した。イチローがお気に入りのロサンゼルスにある焼肉屋に野手全員が集まって、美味い焼肉に舌鼓を打ったのである。3年前に行われた“伝説の宴”と同じように--

 「みんな車の中で寝てて、寝起きの状態ですから、割と静かに始まるんです。中盤から段々、賑やかになってきますけど、すごく盛り上がって、という感じじゃない。そもそも、決起集会とか伝説の宴とか、誰がそんなことを言ってるんですか。ジョー(城島健司)が端っこの方で”ジョーの中でのすべらない話”を披露するくらいで(笑)、美味い焼肉をみんなで食おうというのが基本ですからね。
 でも、話していて思ったのは、この選手たちには向上心があるということです。みんなオールスターなのに、いろんなことに興味を持って、何かをつかみたいと思っている。試合前、一定の時間になると、1人の世界に入り込むんですよ。みんな、精神年齢が高くて、自分の世界を持っている。それは自分が背負っている責任を理解して、それなりの準備をしてきている証だと思うんです。ホントにいい選手が集まっていると感じました」

 そして、なかったはずの・・・・・いや、彼自身が手繰り寄せたに違いない、2回目のWBCでの44打席目が巡ってくる。

(以下、略)
 続きを知りたい方は、是非、購読を。

 さて、Wカップサッカー日本代表選手たちは、どのような意識で日の丸を背負って戦おうとしているのだろう。
WBC日本代表と比べると、サッカー日本代表には、「松坂」や「イチロー」選手が果たした役割を担う選手がいないことか。川口選手では酷である。


イチロー・インタヴューズ (文春新書)

イチロー・インタヴューズ (文春新書)

  • 作者: 石田 雄太
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/04
  • メディア: 新書



WBC戦記―日本野球、連覇への軌跡 (文春文庫)

WBC戦記―日本野球、連覇への軌跡 (文春文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/04/09
  • メディア: 文庫




『ゲゲゲの女房』の旦那の本 [書評]

 朝の連続ドラマ「ゲゲゲの女房」は好調そうで、松下奈緒ファンにとっては、毎日拝めることに満足である。
さて、旦那水木しげるの漫画以外の著作物、関係本もおもしろいものが多い。

 まずは、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』原案本から

著者は、『ゲゲゲの鬼太郎』の生みの親であり、妖怪研究の第一人者としても知られる巨人・水木しげるの夫人である。
赤貧の時代、人気マンガ家の時代、妖怪研究者の時代、「幸福とは何か」を語る現在……結婚以来半世紀、常に水木の傍らに寄り添い、見守ってきた。
著者はなぜ極貧の無名マンガ家と結婚したのか?
伝えられる貧乏生活とはどんなものだったのか?
超有名人の妻となって人生はどう変わったのか?
水木のユニークな言動をどう受け止めてきたのか?
自らを「平凡な人間」と語る著者の目に映った異能の天才の真実と、夫と歩んだ自身の激動の人生への思いを率直に綴った、感動の初エッセイ!

ゲゲゲの女房

ゲゲゲの女房

  • 作者: 武良布枝
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2008/03/07
  • メディア: 単行本



 最新の関係本から「妖怪と歩く-ドキュメント・水木しげる-」がおもしろい。ノンフィクション作家足立倫行の見た水木しげるとは。

妖怪と歩く―ドキュメント・水木しげる (新潮文庫)

妖怪と歩く―ドキュメント・水木しげる (新潮文庫)

  • 作者: 足立 倫行
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/03
  • メディア: 文庫




 次は、「ねぼけ人生」です。内容は、
陽気な落第生だった少年時代、ラバウルで死の淵をさまよい片腕を失った戦争の時代、赤貧のなかで紙芝居や貸本マンガを描き続けた戦後、そして突然訪れた「鬼太郎」と妖怪ブームの中で締め切りに終われる日々。波爛万丈の人生を、楽天的に生きぬいてきた、したたかな日本土人・水木しげるの面白く、ちょっぴり哀しい半生の記録。

ねぼけ人生 (ちくま文庫)

ねぼけ人生 (ちくま文庫)

  • 作者: 水木 しげる
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1999/07
  • メディア: 文庫



 次も少年時代を回想した「のんのんばあとオレ」。内容は
授業中は居眠りばかり、休み時間には活躍しすぎて立たされたり、家へ帰れば、ガキ大将めざす攻防戦に大いそがし―。学校の成績こそひどいものだったが、彼の心は上の空。「のんのんばあ」といっしょに、お化けや妖怪などの住む目に見えない世界をさまよっていた。少年時代をたっぷり味わいつくして悔いのない、漫画家・水木しげるのおかしなおかしな少年記。

のんのんばあとオレ (ちくま文庫)

のんのんばあとオレ (ちくま文庫)

  • 作者: 水木 しげる
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1990/08
  • メディア: 文庫



 妖界漫画の裏側にある自身の戦争体験も書き残している。
「総員玉砕せよ!」と「水木しげるのラバウル戦記」である。
「総員業際せよ!」は、戦時の「命令」とは何か、命令に従えなかった軍人の過酷な運命に至った、ある事件を告発している。内容は、
 昭和20年3月3日、南太平洋・ニューブリテン島のバイエンを死守する、日本軍将兵に残された道は何か。アメリカ軍の上陸を迎えて、500人の運命は玉砕しかないのか。聖ジョージ岬の悲劇を、自らの戦争体験に重ねて活写する。戦争の無意味さ、悲惨さを迫真のタッチで、生々しく訴える感動の長篇コミック。

ああ玉砕―水木しげる戦記選集 (戦争と平和を考えるコミック)

ああ玉砕―水木しげる戦記選集 (戦争と平和を考えるコミック)

  • 作者: 水木 しげる
  • 出版社/メーカー: 宙出版
  • 発売日: 2007/08
  • メディア: 単行本



「ラバウル戦記」の内容は、
 太平洋戦争の激戦地ラバウル。水木二等兵は、その戦闘に一兵卒として送り込まれた。彼は上官に殴られ続ける日々を、それでも楽天的な気持ちで過ごしていた。ある日、部隊は敵の奇襲にあい全滅する。彼は、九死に一生をえるが、片腕を失ってしまう。この強烈な体験が鮮明な時期に描いた絵に、後に文章を添えて完成したのが、この戦記である。終戦直後、ラバウルの原住民と交流しながら、その地で描いた貴重なデッサン二十点もあわせて公開する。

水木しげるのラバウル戦記 (ちくま文庫)

水木しげるのラバウル戦記 (ちくま文庫)

  • 作者: 水木 しげる
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1997/07
  • メディア: 文庫



 最後 に「妖怪画談」。内容は、
妖怪は本当にいるのだ! 子供の頃からそう信じて妖怪の絵を描き続けてきた現代の妖怪博士が,古今にわたる妖怪たちを初めてオールカラーで描く.訪ね歩いた奇妙な土地や,自分が出会った妖怪たち,妖怪の有名人,さらには幽霊・付喪神などが,精緻なタッチと豊かな色彩の中に生き生きと動きだす.妖怪ファンに贈る岩波新書特別版.

愛蔵版 妖怪画談

愛蔵版 妖怪画談

  • 作者: 水木 しげる
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2002/03/08
  • メディア: 単行本





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